LibreOffice Impressで映画Trainspottingのオープニングみたいな画面効果を作る

Posted by nogajun - 2015/12/04

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これは「LibreOffice Advent Calendar 2015」の12/4の記事です。

LibreOffice Impressの「画面切り替え」と「アニメーション」機能は発表で使うには難しい機能ですが、映像制作ツールとして使ってみるとどうだろうと思い試してみました。

再現する画面効果はこれ

映画の画面効果を題材にしようかとYouTubeを検索したところ、映画「Trainspotting」の映像がありました。

モノクロとオレンジのビジュアルイメージがかっこいいですね。 この映像をモチーフにImpressの画面切り替えとアニメーション効果を作ります。

モチーフにした映像はTrainspotting公式映像ではありません

作り方の説明をする前に、まずはお詫びとお知らせ。 タイトルに「Trainspotting」と入れましたが、上で紹介した映像はTrainspotting公式の映像ではありません。

記事を書くにあたり、この場面が映画のどの部分で使われているかと調べたところ本編にはありませんでした。

オープニングの映像ではありますが、オリジナルはカラーでセリフの字幕は入らず人物紹介の止めの場面も違います。 予告編も調べましたが、こちらもありませんでした。

疑問を持ってさらに調べると、なんと、アップロードした人がTrainspottingのオープニングにAfter Effectsを使って編集した二次創作だったようです。

ということで、今回モチーフにする映像は、Trainspottingの映像を使った二次創作映像をさらにモチーフにしてImpressで再現する、ということになります。

使用した画像と色、フォント

フォントは、オリジナルはHelveticaのようですが比較的形が似ているGNU FreeFontのFreeSansを使いました。 ライセンスはGPLv3とフォント例外なので埋め込んでも安心ですね。

色は、オレンジ色の部分が何色かと検索すると、それぞれ微妙に異なっているので、とりあえず「橙色」(カラーピッカーで言うと上から2段目左から2つ目)を使いました。

画像は、FlickrからSuedeheadさんのBlytheの画像を使用しました。Enriquetaちゃんだそうです。 写真のライセンスはCC BY-SA 2.0です。

動画とサンプルファイル

作成の前にどういう風なアニメーションになるか、YouTubeにアップロードした動画をご覧ください。

そして制作過程をビデオに収録したので、こちらもご覧ください。

サンプルファイルはこちらになります。

画像を配置する

それでは作りましょう。Impressを開いて、レイアウトを白紙のスライドを2枚作成します。

そして、1枚目にCaminito Street、2枚目にCaminitoの画像をスライドいっぱいに拡大、トリミングして貼り付け。サイドバー「プロパティ」のグラフィックから「グレースケール」にしておきます。

スライドインする字幕を作る

1枚目のスライドに「Choose life, Choose a job」という台詞でスライドインする字幕を作ります。

図形から幅8cm x 高さ1.5cmの四角形を書き、メニュ−[編集]-[複製]を選び、以下の設定で四角形を3つ作成します。(四角形は合計で4つになります。)そして、作成した四角形のなかにセリフを入力します。

  • コピーの数: 3
  • 移動
    • X軸: 0cm
    • Y軸: 2.5cm
  • 拡大
    • 幅: 5cm

スライドインする字幕の見た目を揃えるため、図形のスタイルを作ります。 サイドバーの「スタイルと書式設定」を開き、図のスタイルを選びます。新規で「セリフ」スタイルを作ります。スタイルの設定は以下のようになります。

  • 線: スタイルなし
  • 領域: 橙色
  • フォント: FreeSans 太字 30pt / M+1p Bold 太字 30pt
  • 配置: 右/下

4つの四角形を選択し、スタイルを適用。位置を合わせて字幕ができました。

アニメーションをつける

スライドインをするためのアニメーションをつけます。 字幕をすべて選択し、サイドバー「アニメーション」からアニメーションを追加します。

アニメーションの種類は「開始」の「スライドイン」を選び、「開始」タイミングを「直前の動作の後」にします。

ここでShift+F5キーを押して、設定したアニメーションを見てみましょう。 アニメーションがいきなり始まるとともに、字幕が下からせり上がってきます。ということで方向とタイミングを修正します。

アニメーションは一度に細かな修正ができないので、それぞれ設定したアニメーションをクリックして設定します。

まずは出てくる「方向」を「左から」にします。そして、出てくるまでに少し間が欲しいのでオプションボタンから「効果」オプションを開き、タイミングの「遅延」を0.5秒に設定します。

もう一度、アニメーションを見ると一呼吸を置いてから字幕がスライドしてきました。

人物紹介のエフェクトを作る

人物紹介は、人物が切り抜かれ背景がオレンジと黒のツートンカラーに変わる派手な画面効果ですが、アニメーションを組み合わせて似たような雰囲気を作ります。

仕組みとしては、白黒写真の上に半透明にしたオレンジ色の図形を重ね合わせる時にアニメーションを加えることにより、切り替わったように見せます。

背景マスク画像の作成と写真を白黒2階調に変換

グレースケールの写真をコピーして同じ位置に貼り付けます。 これで同じ写真が2枚重なった状態になり、下が効果がかかる前。上が効果がかかったときに表示される写真になります。

背景をオレンジ色でマスクする図形を作ります。この図形は四角形を人物の形で切り抜き作成します。

まず図形の「多角形」を使い、人物を囲むようになぞり図形を書きます。この時、キレイになぞるのではなく荒く、少し人物にかかるように書くとかっこ良く見えます。

次にスライド全体を覆う四角形を書き、図形との重なりを手前に人物、後ろに四角形が来るように配置します。そして、マウス右クリックメニューから[シェイプ]→[引く]を選択すると四角形が人型に切り抜かれます。

図形を切り抜いたら、色を「塗りつぶし」の色を橙色、「透過性」を「グラデーションなし」の「10%」、線の形状を「なし」にすると背景がマスクされます。 下地に使う写真は、グレースケールから白黒に変更しておきます。

切り替えアニメーションをつける

上で作成した図形と白黒写真を選択し、アニメーション「対角線の四角」をつけます。この状態でShift+F5キーを押してアニメーションを見てみましょう。

最初、グレースケールの写真が表示されますが、スペースキーを押すと図形と白黒写真に切り替わります。

これだけでも効果的ですが同じ方向で切り替わるので、これを対角線で切り替わるように図形をのアニメーション方向を「右から上へ」に変更します。

もう一度、Shift+F5キーを押して見てみましょう。右上からと左下から重なるようになり、より効果的になりました。

スライドインする名前を作る

切り替えと同時に名前がスライドインしますが、これは字幕と同じ要領で作ります。

高さ1.5cmで適当な幅の四角形を書き、名前「Enriqueta」を入力します。形と位置をを調整したのち、字幕で使ったセリフスタイルを適用します。 色が橙色なので黒に変更すればできあがりです。

画面切り替えとBGM

アニメーションは終わりですが、最後に画面切り替え効果とBGMをつけてみましょう。

画面切り替え効果はスライド2枚目に設定すると1枚目と2枚目の間にかかります。ということで効果は「スライドイン(上へ)」、速度を「速く」に設定しました。

BGMはIggy PopのLust for Lifeを使うわけにはいかないので、ドラムマシンのHydrogenを使って1小節だけですが同じようなリズムを作ってみました。

これをバックに流す方法は、サイドバー「画面切り替え」の「切り替えの変更」にあるサウンドに指定します。そしてループをさせるので「次のサウンドまでループ」にチェックを入れます。

スライドの切り替えは通常、マウスクリックですが自動切り替えをするには「スライドを進める」を「マウスクリックで」から「次の時間後に表示」に切り替え、時間を指定します。今回は「0.30秒」にしました

最後に

LibreOffice Impressのアニメーションと画面切り替え機能は、ほとんど使うことはありませんでしたが、使ってみると面白く、簡易的な映像ツールとしても使えるのでこれからも使ってみたいと思います。

_ LibreOffice Impressのアニメーションネタをもう一つ

記事にはできなかったけど、Keynoteで作ったアニメーションのKEYNOTE MOTION GRAPHIC EXPERIMENTに触発されたものも作ろうとしてました。 Githubにファイルを置いているので興味のある人は見てください。