2018-12-04
_ LibreOfficeのちょっとよくわからない機能
これは「LibreOffice Advent Calendar 2018」4日目の記事です。
小ネタです。 LibreOfficeには「なんでこんな機能があるの?」と思う機能がたまにあります。その一つがDrawやImpressで平面図形を立体化する「立体」(3D)と「浮き出し」(Extrusion)です。
「立体」は、図形を変換して立体化する機能です。メニュー[シェイプ]→[変換]→[立体に変換]かコンテキストメニューから使えます。一方の「浮き出し」は、図形を押し出して立体化する機能です。図形描画ツールバーにある「浮き出しの切り替え」ボタンを押すと利用できます。
図形に両者を適用した結果がこれです。
一緒やん!
大きな違いとしては「立体」は変換をするので元の図形に戻せません。「浮き出し」は「浮き出しの切り替え」ボタンを押すと元の平面の図形に戻せます。 細かい違いとしては「立体」はレイトレーシングで光源処理が違う、写真などのビットマップを立体化してパースが付けられるなど。「浮き出し」は3D設定ツールバーにあるボタンからしか回転できないなどがあります。
しかし、図形につける視覚効果としては、ほぼ一緒。立体物として回転させることや厚みの変更、色の変更もできるし別々になっている意味がわからない…。なんで、これを別機能として実装したのだろう?
2018-12-07
_ スクリーンショットツール「Shutter」をAppImage化してみた
今年の4月ぐらいにスクリーンショットツール「Shutter」の代わりがない問題と書きましたが、Perlの更新とともにDebianのリポジトリから見事に消されました。 どうしようかと思いつつ代わりのツールを試したのですが、しっくりこないのでStretchにあるShutterパッケージをAppImage化して、もう少しだけ延命を図ることにしました。
AppImageの実行ファイルは置かないので、各自自分で作ってください。
参考
これ以外に参考になる文書は無いと思います。
- pkg2appimage — AppImage documentation: https://docs.appimage.org/packaging-guide/converting-binary-packages/pkg2appimage.html
AppImageファイルの作り方
AppImageのレシピがあるAppImagesリポジトリをクローンして中に入ります。
$ git clone https://github.com/AppImage/AppImages.git appimages $ cd appimages/
以下のレシピをshutter.ymlなど適当な名前で保存して、recipes/ディレクトリ以下に保存します。gistにも同じものを置いてます。
app: shutter binpatch: true ingredients: dist: stretch packages: - libxml-sax-expat-perl - libimage-exiftool-perl - libnet-dbus-glib-perl - libgoo-canvas-perl - libgtk2-appindicator-perl sources: - deb http://deb.debian.org/debian/ stretch main pretend: - libdbus-1-3 1.10.26-0+deb9u1 - libgtk2.0-0 2.24.31-2
debパッケージをAppImageに変換するシェルスクリプトpkg2appimageを実行して、パッケージをAppImage化します。
$ ./pkg2appimage recipes/shutter.yml 2>&1 | tee shutter.log
しばらく待つとout/ディレクトリ以下にイメージが出来上がっているので実行します。
$ ./out/Shutter-0.93.1.glibc2.17-x86_64.AppImage
まとめとか
実を言うと、そのままレシピを書いて作れるかと思いAppImage化に手を付けましたが、パッケージの依存関係が解決できずに止まってしまうので放置してました。
ある日、気になってドキュメントを読むと、pretendのところに「正確なバージョンが無いとパッケージのインストールが拒否されることがあります。それを回避するにはpretendにバージョン番号を指定します。」と書いてありました。
なんの事かと調べたら、AppImage化に不要なライブラリパッケージを除外するために存在しないバージョン番号を指定しているようで、これにひっかかると依存関係が芋づる式に解決できなくなってパッケージがインストールできなくなる、という事のようでした。
原因を探っているとき、パッケージのワークディレクトリにexcludedeblistというファイルがあったので改めて見ると引っかかったであろうdbusとgtk2のライブラリがあったのでpretendに指定してビルドすると…。
できた!
ということでAppImageパッケージができましたが、正直なところ、まだよくわかってないです。
パッケージのクオリティを上げたところで、この先、Shutterが使えなくなる事は目に見えているので一応使えればいいかということでメモを公開しました。
_ Shutterの代わりにKsnipがいいところまで来ているけど、まだもう少しな感じ
- DamirPorobic/ksnip: Ksnip is a Qt based cross-platform screenshot tool that provides many annotation features for your screenshots.: https://github.com/DamirPorobic/ksnip
そう。いい感じなんだけど画像をためて編集ができないのが、ちょっとつらい。
2018-12-11
_ LibreOffice Writerで脚注にカッコをつけたい
これは「LibreOffice Advent Calendar 2018」の11日目の記事です。
Twitterで「LibreOffice」で検索していると、こんなツイートを発見しました。
てかLibreOfficeの脚注あらゆるもの見ても()で括るの無理だったしソフト的に出ないかも...とか言ってもいやソフトの問題じゃないでしょ誰かに聞けば分かるよとか言ってたから兄ちゃんに聞いてみたけど兄ちゃんですらわかんなかったからマジで機能ないじゃん クソ
— 昆布@卒論 (@konbu0141) December 7, 2018
卒論をLibreOfficeで書いてる自分が馬鹿って話ではあるんだけどだからってなんでこんなしょうもないことでボロクソに言われなきゃいけねぇんだよ 脚注に括弧ついてないだけでただ読みずらいってそれただのイチャモンじゃねぇか クソ
— 昆布@卒論 (@konbu0141) December 7, 2018
キレてる WordとLibreOfficeの違いを分かってくれない先生にキレてる
— 昆布@卒論 (@konbu0141) December 7, 2018
大体学校で推奨(笑)されてるLibreOfficeくんができない機能あっても妥協点になるんじゃねぇのか 卒論の中身よりも脚注に括弧つけるかつけないかなんてクッソしょうもないことでネチネチ言ってくるのほんとクソ
— 昆布@卒論 (@konbu0141) December 7, 2018
これは理不尽だし怒る気持ちもわかるので、LibreOffice Writerで脚注にカッコをつける方法をまとめました。
- 参考: How do I format a footnote anchor? - Ask LibreOffice: https://ask.libreoffice.org/en/question/84551/how-do-i-format-a-footnote-anchor/
脚注番号にカッコをつける
脚注につけるカッコにはいろいろありますが、ツイートされていた「(番号)」という形の丸カッコをつけた脚注を作ります。
まず、カッコの前に脚注のつけ方ですが、脚注はメニュー[挿入]→[脚注と文末脚注]から[脚注]または[文末脚注]で挿入できます。 問題は、この脚注にどうカッコをつけるかですが、これは簡単です。 メニュー[ツール]→[脚注と文末脚注]に脚注の設定があるので、そこに設定をすればカッコがつけられます。
具体的には「脚注と文末脚注」設定画面にある「自動番号付け」の「前」と「後」にカッコを入れれば脚注にカッコがつきます。
脚注の書式について
「脚注と文末脚注」設定画面にありますが、脚注のそれぞれの部分にはスタイルが割り当てられているので、書式を変更するにはスタイルの書式を変更します。各部分のスタイルは以下のようになります。
- 脚注: 段落スタイル「脚注」
- 脚注番号: 文字スタイル「脚注番号」
- 脚注参照番号: 文字スタイル「脚注参照番号」
脚注の文は段落スタイルですが、番号は文字スタイルなので気をつけてください。
脚注参照番号にカッコをつける
さて、脚注にカッコがつきましたが、本文には脚注を参照する脚注参照番号があります。脚注参照番号は番号のままなので、こちらにもカッコをつけます。
Alt. Search拡張機能をインストール
脚注参照番号にカッコをつける方法ですが、手でつけていくのは大変なので検索で選択して一括でつけます。 しかし、通常の「検索と置換」では選択できません。 では、どうするかというとAltSearchという高機能な検索ができる拡張機能を使って脚注参照番号を検索、選択してつけていきます。
- Alternative Find & Replace for Writer (AltSearch) — LibreOffice Extensions and Templates Website: https://extensions.libreoffice.org/extensions/alternative-dialog-find-replace-for-writer
拡張機能のインストール方法は、上のページか、このリンクからAltSearch.oxtをダウンロードします。
メニュー[ツール]→[拡張機能マネージャー]を開き、「追加」ボタンをクリックしてダウンロードしたAltSearch.oxtを指定すればインストール完了です。
「閉じる」ボタンを押すとLibreOfficeを再起動するか尋ねられるので、ファイルを保存した後にLibreOfficeを再起動すればAlt.Searchは使えるようになります。
Alt.Searchを使った脚注参照番号の選択とカッコの追加
では、カッコをつけていきましょう。カッコの付け方は以下の手順のようになります。
- メニュー[編集]→[Alt. Find & Replace]を選択して、Alt.Search画面を開く
- 「Search for」にExtendedメニューからFootnoteを選んで「[::Footnote::]」と入力
- 「Replace」に「(\0)」と入力する
- 「Replace All」ボタンを押して置換する
これで置換できましたが番号とカッコのサイズが違うので、カッコに脚注参照番号スタイルを適用してサイズを揃えます。
- メニュー[編集]→[Alt. Find & Replace]を選択して、Alt.Search画面を開く
- 「Search for」に「\(.\)」と入力する。(丸カッコは「\」(バックスラッシュ)でエスケープする必要があります)
- 「Replace」に「\C{脚注参照番号}」と入力する。(文字スタイル「脚注参照番号」を適用する)
- 「Replace All」ボタンを押して、文字スタイル「脚注参照番号」を適用する
これで脚注と脚注参照番号両方にカッコがつきました。
最後に
脚注にカッコをつけるのは簡単にできるので、卒論を書いている方(じゃなくても)もカッコつけてください。
2018-12-13
_ LibreOfficeを使ってるならTelegram messengerの「LibreOffice-JA」グループに入ろう
これはLibreOffice Advent Calendar 2018の13日目の記事です。
途切れさせないためにサラっと小ネタなどでも。
オープンソース・プロジェクトでチャットといえばIRCだったのですが、それが今はSlackに…とはならずにオープンソース界隈ではTelegram Messengerというメッセンジャーサービスがよく使われています。
たとえば、KDEやOpneStreetMapといったコミュティも使ってますし、LibreOfficeももちろん使っています。
Telegramの何がいいかと言うとセキュリティや気密性などいろいろ挙げられますが、今どきのメッセンジャーサービスなのでスタンプ(Sticker)が使えることですね。(そこ!?)
ほかには、台湾に行ったときはFranklinさんと連絡を取るときに使ったし、韓国に行ったときはOSSな人たちとTelegramの友達になったので連絡取りやすくなったし、個人的な連絡手段して使えるところですね。(そこ!?)
長い前置きはさておき、TelegramにはLINEグループのようにグループチャット機能がありまして、そこに日本語で会話できるLibreOffice-JAグループがあります。
ですが、登録人数がまだ7人です。これでは非常に寂しいのでみなさん入ってください。 登録リンクはこちらから。
クライアントですが、スマホ以外にLinuxデスクトップ版もあるしブラウザからでも使えるのでとても便利です。
2018-12-31
_ 2018年もありがとうございました
2018年も終わりです。tDiaryは本当に止めたい。もういい加減止めたい。3年越しやで…。
さて、今年を振り返ると2月に初の青色申告をしました。つらかった。それが、またやってきます…。 それは置いといて2月には韓国に行ってきました。韓国に行ってKorea Community Dayで話をしたり、デヒョンさんを始め韓国オープンソース・コミュニティの人たちと話をしてきました。そうすると、韓国のコミュニティにはいろいろ深い事情があることが分かって「コミュニティとは」と考えるところからスタートしました。
その時、自分自身の課題として「(言語問わず)会話ができない」という事もわかって、「話をする」という事についても考えました。 それが直接のきっかけではなかったけど「韓国語を勉強したい」という気持ちになって4月からは韓国語を習い始めました。
当初の目的では週一に開かれるのでそのペースで勉強できるかと思いきや、自分の行ってる民団の西播韓国学園では入門クラスの人数が少なく正式には開講できないという事で、先生のプライベートレッスンという形で受ける事になりました。 先生と自分ともう一人の受講生だけで人数が少なく、ぜいたくな授業かと思いきや、気が抜けずつらかった…。今は初級クラスの人が入ったので少し楽になったけど、最初は本当にしんどくて夢に出てくるぐらいでした。
予期せぬ形でスタートしましたが、先生を始め、普段、接点がないような人たちと会うというのは楽しいのでなんとか続いています。10月には影絵もやったし、これからも続けていきます。
7月には、加古川でCode for Harimaをスタートさせました。これも4月ぐらいに「播磨地域でオープンデータの事をやっている人いませんか?」という問い合わせに始まり、リサーチのために動いてたら、あれよあれよという間に人がつながってスタートすることができました。
始めたばかりで、どういう形になるかわかりませんが集まった人たちは、いろいろな分野で活躍している人たちなので、これからが楽しみです。
8月は台湾のDebConf 18!に行ってきました!楽しかった!オードリー・タン氏のセッションやDebian Diversity BOFに衝撃を受けたり一週間ほどいましたがとても楽しかったです。しかし、ここでも「会話できない」ことで悩むのでした。
オープンソース系の活動は、LibreOffice日本語チームの活動に力を入れてたのが一番でしょうか。 12月にOSC福岡と九州LibreOffice勉強会に行ったり、The Document Foundationメンバーに申し込みをしたり、LibreOfficeの広報に力を入れたいと思ってFacebookとTwitterの中の人をはじめたり、いろいろやってます。 2019年は良い感じになると良いなぁ。
個人的なことでいうと、11月にADHDの診断を受けて薬を飲み始めました。2カ月ぐらい経ちましたが効いてきたのか以前より段取りがうまくできるようになった気がします。あと、薬と韓国語教室、両方のおかげか会話ができるような気がしてきました。とりあえず来年、一年、様子を見てどうなったか比べたいですね。
という感じで振り返ってみました。余裕があったかどうかは分かりませんが2018年は充実した一年だったと思います。来年もこの調子で続けていきたいので、よろしくお願いします。