Creative Commons Japanシンポジウム「コモンズの未来」に行ってきたよ

nogajun
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おとといの夜、関西Debianの宴会が終わって夜行バスに飛び乗り、CCJPのシンポジウムのためだけに東京まで行ってきました。

シンポジウムは2部構成で、1部は「CCライセンスバージョン3.0について」という現在のクリエイティブ・コモンズ・ライセンス 2.1 日本と3.0の違いについての説明。

2部は「コモンズの未来」ということで、CCに影響を受けた「ニコニ・コモンズ」についてニワンゴの方からのお話しと「ライセンスをめぐるウィキペディアの苦悩と展望」ということで、WikipediaのGFDLからCC-BY-SAへのライセンス変更にともなう動きについてのお話し。 それを踏まえてのディスカッションがおこなわれました。

「CCライセンスバージョン3.0について」

「CCライセンスバージョン3.0について」のお話ですが、CC 2.1から3.0の改正はMIT(マサチューセッツ工科大学)のオープンコースウェア公開をめぐるライセンスについてCCとの話し合いと、Debian ProjectからのDebian Free Software GuidelineについてCCとの話し合いにより改正されたのだそうです。

余談ですが、この時DebianはDFSGを策定した団体と紹介されたけど「そうじゃないよ!」とHenrichさんとツッコミを入れたかったのは秘密です。

引き続き2.1と3.0の違いについての説明があり、考え方など基本的なところは変わりらないけれど、法律的な知識があまりない人にも、よりわかりやすい表現に改められたことと、著作者人格権の扱いなど3.0以前は米国法を中心としてライセンスを作っていたので考慮されていなかったところを、最初から各国の違いを考慮しながら改訂されたそうです。

あと、2.1には入っていない新しいところとしては、Wikipediaのライセンス切り替え問題に端を発した、GFDLとCC-BY-SAについての文言、相互互換のあるライセンスについては、どちらも使用できるとの言葉が追加されたところは、目玉ですとおっしゃられていました。

この辺の詳しいところは、資料が公開されたので、それを見るとわかりやすいかもしれません。

「コモンズの未来」

「コモンズの未来」ということで、CCに影響を受けた「ニコニ・コモンズ」ついてと、WikipediaのGFDLからCC-BY-SAへのライセンス変更にともなう動き「ライセンスをめぐるウィキペディアの苦悩と展望」のお話しを踏まえてのディスカッションがおこなわれました。

「ニコニ・コモンズ」についてニワンゴの方がお話されていたのですが、興味深かったことは、ニコニ・コモンズという独自ライセンスを作ったのは、CCの中で著作者人格権の扱いがなかったことと、企業との対応やCGMの仕組みを維持しつつ安全にしたいということで著作物をトラッキングすればいいのではという考えになったということをおっしゃられていたのですが、なんとなく発想が日本的かなと思いました。

あとニコニ・コモンズは、結果としてサービスによるユーザーの囲い込みではないかという指摘については、元著作者は自由にライセシングできるのでニコニ・コモンズとCC(または別ライセンス)のデュアルライセンスを適用して、ニコニコ外に出してもらえれば問題はないのではないかと言われていました。

デュアルライセシングについては、Wikipediaの話の中やディスカッションの中でも話の中心になっていましたが、デュアルライセシングを適用すると著作権者はどちらのライセンスも理解しないといけない手間が増えるので、あまりよくないと思いますね。

もっともデュアルライセンス以前に、個人的に独自ライセンスは手間が増えるだけで、うれしいことは何一つないと思うので、利用しないのが一番だと思いますが。

懇親会

懇親会の席がhenrichさんやyukichiさんのフリーソフトウェアな人たちと、CCv3.0のお話をされていた野口さんや、Wikipediaの話をされた渡辺さんという、すごーく濃い人たちのところだったので、アーティストがCCを使えば、どういう風にハッピーになれるのかという話や、jamendo話など、いろんな方向に話をしてたら、バスの時間に乗り遅れそうになりました。ヤバかった!

こういう話は全然つきないので、ぜひとも関西でもこういうイベントをやってほしいですね。

_ 青木ヨーマさんのアルバム「岩岡オーディナリーデイズ」がクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されているので、みんな聞くように

「元ヒダリの」で理解する人は少ないと思うけど、jamendoをチェックしていたら青木ヨーマさんがアルバムを公開していました。 すげー、ポップでいい曲ばかり、いやアルバム自体がポップワールドなので、気に入ったら自由にダウンロードしてね。