電車少年家出男

nogajun
nogajun

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露出してる人のライブを見て露出してる人を捕まえたヘンな一日。 いやはや。

_ 家出少年レコード発売記念ワンマン(オープニングアクト:ほりゆうじ)@神戸スタークラブ

良かった。

オープニングアクトのほりさんがいつもと違うお客さんのノリに押されていたり、家出少年は滅多にやらない曲とかやっててホント素晴らしかった。 でも後であったことで、とても良かった雰囲気しか覚えてないのよ。ごめんね。

_ 露出男を捕まえた。でも電車男にはなれなかったけどね。

改札を出なかったので残った切符

家出少年のいい雰囲気に後ろ髪を惹かれながら、明石から定期が使えるから明 石までJRに乗って姫路に帰ろうとしてた金曜の夜。新快速は満員。僕は乗り込 んだドアの向かい側近くに押し込まれ身動きもとれないぐらい。右手は必死に つり革にしがみつき、上げたまま下ろせない左手は携帯を握っていたのでweb を見ていた。

三宮駅を出て神戸駅。そこを少し過ぎたあたり。突然真後ろから「やめてくだ さい!」「駅に着いたら一緒に降りてください!」と叫ぶ女の子の声。車内は一 斉に声の方向に振り向く。僕も振り向く。

ドアの横。振り向いた先には叫んだと思われる小柄な女の子。女の子の対面に は頭の禿げあがった背の高いヤセっぽっちなサラリーマン風の男性。

「それを隠してもうやめてください!」女の子は大声で言うと男の持っている カバンを押し返した。男は「ひゃぃ」と素っ頓狂な声で返事。そして女の子に 背を向けるようにくるりと回転して肩をすぼめると、なぜか股間にカバンを押し当 て小刻みに震え始めた。

女の子は男を睨みつける。男は女の子に背を向け震えている。

妙な雰囲気の二人の真横。身動きのとれない場所で僕は「痴漢に間違われたな ら否定するんじゃないだろうか?」など考えながら、ただただ二人を見ている しかなかった。

しばらくすると新快速は明石駅に到着。僕たちがいたの向かい側のドアが開く。 女の子に腕を捕まれたままリーマン風の男は僕の前を通り過ぎドアのほうに 歩き始める。心にひっかかったものを感じながら降りる僕。一歩、二歩。三歩。 ドアの先には階段。男がホームに足を下ろしたその瞬間、男は脱兎のごとく走り出した!

男に引きずられるようにホームに降りる女の子。 振りほどかれるまいと必死に男の袖を掴みながら女の子は叫ぶ。

「助けてください!」 その声がホームに響くと僕は走り出していた。

階段横の壁にひっかかった男に飛びつく。腕を抑え無我夢中で手首の関節技を 決める。「ぐげ。」という声を発し大人しくなる男。しかしこれを外すと男は 今にも走り出しそうだ。膠着状態。その時、学生らしき人が男を後ろから押さえてくれた!

手を決めたまま学生さんと囲むようにして後ろにあった鉄柱に抑え込む。

「(手を)離してくださいよ。逃げませんから。」懇願する男。 「離すか!」「離したら逃げるだろ!」と叫ぶ僕と学生の二人。 男を抑えつけているあいだ中、女の子が「誰か駅員さんを呼んできてください!」叫ぶ。 でもたくさんいる人達は僕達を遠巻きに眺めているだけ。

それから何分たったのだろうか。一分も経っていなかったのかもしれない。 でも僕達にはその時間が何十分にも思えた時、階段から女性が駆けあがってきた。 「今、駅員さんが警察を呼んでいるのですこし待ってください!」と大声で言った。

安心する三人。

一分、二分、三分。五分。十分。どれだけ待ったのだろうか。さっきの時間に 輪をかけてとても長かったような気がする。男は完全に抵抗はしない様子だっ たけれど待つにしてはあまりにも長い長い時間にとうとう学生さんが痺れを切 らした。「一階の事務所に連れいきましょう。」僕達は男を連れ何も言わず一 階に降りた。

階段を降りて事務所に向かっていると何人かの警察官と駅員さんが走ってきた。 即座に男の両脇を警察官が固め、まるでリトルグレイのように駅を出ていった。

「ご協力ありがとうございました。お時間がないところ申し訳ありませんが、 事情をお聞きしたいので同行いただけますか?」年配の警察の方が言う。僕と 学生さん、女の子は男が連れていかれる後ろ姿を見ながら駅の隣にある派出所 まで歩いた。

派出所と明石署

駅を出るとすぐ横にコンビニと派出所がある。歩いても一分もかからず着いた。

両脇を抱えられた犯人は奥に連行され、僕たち三人はカウンターのようなとこ ろでそれぞれの起こった事を三人の警察官に話し始めた。

まず女の子が話し始めたが何やら僕が予想していた状況と少し違うようだ。 いや。僕は痴漢だと思っていたが女の子によると、満員電車で動けないところでヤツはチャックを開けて自分のイチモツを見せていたらしい。 そして近づいてきたらしい。 そうか。それで彼女は「やめてください。」「それを隠してください。」と言っていたのか。